パソコン以外のサポートガイド

視覚障害者に対して
“目の不自由な人”という(無難かつ不自由な)表現で括られることの多い視覚障害者ですが、 「点訳ボランティア」や「朗読ボランティア」や「拡大写本ボランティア」があるように、 目の見えない人と弱視の人とでは必要としていることが違います。

目の見えない人の中でも、弱視の人の中でも、必要としていることの度合いは人それぞれ違います。 気軽に接し、「何かお手伝いできることはありませんか?」と率直に聞くことが大切です。 あなたの一声で、とても安心します。

ただ、そこまではわかっていても、実際に何かお願いされたとき具体的にどうすればいいのか 知らないことで、声をかけることをためらっている方もいると思います。 そこで、こんなときはどうすれば?をガイドしてみました。 ここに記した以外でも、いろいろあると思いますので、教えてくださいね。

  1. 挨拶するときは?
    “見える人”である、あなたの方から先に声をかけましょう。 目の見えない人にとっては、声をかけられるまで、あなたはそこにいないのです。
  2. 誘導するときは?
    いきなり腕をつかんで引っ張ったりしないで、最初に一声かけましょう。 白い杖の反対側に立って腕を貸し、相手の半歩前を歩きましょう。 白い杖をつかんだり、手を引っ張ったりすることは禁物です。
  3. 腕を貸すときは?
    あなたのヒジの少し上に相手の方の手を導いた上で歩き出すと、相手の方は常に安全な位置が得られ、 あなたの体の動きで進む方向がよくわかります。
    身長が違い過ぎるときは、あなたの方が背が高いときはヒジの下を、反対なら肩を貸しましょう。
  4. 段差のあるときは?
    斜めに近づくのは危険です。段差に向かって必ず直角に進みましょう。 手前で歩行をゆるめ、昇るか降りるかを告げ、一段先を歩きましょう。
  5. 自動車に誘導するときは?
    ドアと屋根の縁に相手の手を導きながら説明すると、車の向きや屋根の高さがわかるので、 頭を打たずに乗車できます。
  6. そばを離れるときは?
    必ず断わってから離れましょう。 その際、相手の方の手を柱か壁などに接触させるか、椅子をすすめましょう。 手がかりがないと転んでしまうからです。また、戻って来たときにも、必ず声をかけましょう。
  7. 椅子をすすめるときは?
    椅子の背もたれかヒジかけに手を導きましょう。 椅子のシートの先端に相手の方のヒザが軽く触れるように誘導するのも、 安全に腰をかけられる方法です。
  8. お茶や食事のときは?
    料理の名称と内容を説明しましょう。
    食器の位置は時計の針の位置で示すといいですね。 快適な時間を共有し続けることができるよう、最後までフォローをお忘れなく。

障害を持つ方からのメッセージ

以上、様々な場面でのサポートに加えて、次に記す内容も知っておいていただければと思います。 これは、ご自身も全盲である、埼玉県立盲学校教諭の三瓶和寿さんから寄せられた意見に補足を加えたものです。

  1. 視覚障害者の見え方
    視覚障害者といっても様々です。見え方では、弱視と全盲がいます。 目だけの障害の場合と他の障害を併せ持つ場合もあります。
    弱視とは、矯正しても、0.3以下程度の視力しか持たないか、 視力があっても視野が非常に狭い人をいいます。 その見え方は、夜見えにくい場合や、まぶしいと見えにくい場合など、種類や程度も様々です。
    全盲には、光が判る場合や、光が一切判らない場合があります。 視覚に障害を受ける時期によっても、生まれつきや学童期に視力を失った場合と、 社会に出てから視力を失った場合とでは変わってきます。
    これらのことを知っておくことは、より身近に付き合っていく上で、必要になるでしょう。

  2. どんな援助が求められているか
    視覚障害者の立場から、どのような援助を期待しているかは、 見え方や併せ持つ障害、そして受けた教育やリハビリの状況によって変わってきます。 一人一人違うのです。 例えば、全盲で、併せ持つ障害がなく、盲学校での教育を受けていれば、点字はほぼ問題なく使えます。 ところが漢字の知識はほとんどありません。 一方、大人になってから失明した場合や手の感覚障害がある場合、 点字を身につけることには非常な困難が伴います。 大人になってから失明した場合、手の感覚障害がないとしても、 皮膚の感覚から鋭敏さが失われているのは致し方ないことだからです。 また、元々あったはずの手の鋭敏さが失われたという意味では、 これはこれで「感覚障害」に違いありません。
    弱視では、視力が低くても視野がある程度でも広ければ、文字を大きくすることで読むことができます。 ところが視力があっても視野が狭い人は、本を読むのに不自由は少ないのですが、広い範囲から探すのは大変困難です。 また、遠くは見えなくても目を近づけるとある程度なら読める場合もあります。
    全盲、弱視それぞれに、その人が苦手な部分を援助していただくことが必要になるわけです。