町田さんから紹介された「障害者のためのITサポート」のセミナーに 参加してきたので報告します。 【区分 】: 参加報告 【主催 】: NPO法人e-AT利用促進協会,マイクロソフト株式会社 【活動日】: 2005年4月23日(土) 24日(日) 【時間 】: 10時〜16時 【場所 】: マイクロソフト株式会社 セミナールーム(新宿サザンタワー) 【件名 】: UP基本セミナー「障害者のためのITサポート」 【報告者】: 太田 広志 【参加者】: 太田 広志 【報告】: UP基本セミナー「障害者のためのITサポート」 http://www.e-at.org/atac_up.html 講師: 中邑(なかむら)賢龍(東大先端技術研究センタ) 畠山卓朗(星城大学) 奥山俊博(東大先端技術研究センタ) 巖淵(いわぶち)守(広島大学) 講義概要: 1日目は午前中に畠山さんがサポートの意義についての講義、 午後には中邑さん、巖淵さんがWindows標準搭載のユーザー補助機能の紹介をした。 2日目は午前に中邑さんがサポートではなにが重要か の講義、 午後に中邑さんがAACというコミュニケーション法についての講義をした。 また、午後には、視覚障害のかたとのコミュニケーションでの留意点の講義、 知的障害のかたのサポート、肢体不自由者へのサポート機器の紹介などをした。 講義は、講師が自分で体験してきたサポートなどからの教訓をまとめて 講義をしていくもの、講師が2人で、問答をしてすすめていくもの、 どんなコミュニケーション技術が必要かを示す実践形式のもの、の3種類があった。 【1日目】 1.サポートの意義 何を求めているかを把握して、サポートを提供する 2.どんなサポートをするべきか できることを増やし、ひとりでいられる時間を増やす 生活支援の一環としてのITサポート→パソコンにとらわれない 3.サポートの利用者をどうとらえるか 利用者をとらえる3つの視点 観察者の視点・・・全体を観察する 対話者の視点・・・利用者と同じ視線 共感者の視点・・・つらさ、喜びなどを共感 4.Windowsで利用できる標準機能の紹介 肢体不自由のかたが便利な機能 フィルターキー、キーロック、マウスの設定、 マウスキー、ソフトキーボードなど 視覚障害のかたが便利な機能 文字の大きさの変更、コントラスト、拡大鏡、ショートカットなど 【2日目】 1.AACのコミュニケーション法について 知的障害のあるかた、 発話の障害のあるかたのサポートのときを想定して講義をした。 AACは、いまある能力を活用して最大限のコミュニケーションを引き出す技術 コミュニケーション技術がないと支援者が誘導してしまうことがある。 「今日は火曜日ですか」など ためしの質問をすることで理解して回答しているかを確認する。 相手の意思を正しく読むにはさまざまな技術が必要 技術を使わないと限界がある(視線コミュニケーションボードや、その他の技術) 2.視覚障害のかたとのコミュニケーションでの留意点 話しかけるときは自分からなのる これ 、それ などの表現を使わずに具体的に示す 3.知的障害のかたのサポートについて 相手がどの程度理解できているかが重要 言語的な理解だけでなく、絵にするなどで会話をできることもある ものを介しての会話できることもある 4.肢体不自由のかたのサポート機器の紹介・情報検索の方法 どういう方法が一番楽かを考える 道具の特性を理解する(マウスがよいのか、ジョイスティックがよいのか) 入力装置だけでなく、座位保持などIT以外の技術の活用が必要 サポータがいろいろな道具を理解していないと最適な機器が選べない 調整に時間がかかるものは事前に調整しておく こころWebなどでも機器を検索できる (できマウスの紹介もありました) 5.問題解決へのアプローチ 人の手から最新技術までを駆使する多様な解決を提案する 選択するのは利用者自身(自己選択、自己決定の原則) サポートをうまくいかせるために ・利用者の生活イメージを確認する ・ユーザーを起点する(技術が先行しない) ・利用者の能力を適切に評価する ・利用場面への配慮をする ・社会資源の活用とつなげる 【感想】: 視覚障害、肢体不自由、知的障害などのサポートの実例を、 さまざまな経験を通して伝えてもらえたことは非常によかったと思う。 一方、Windowsの標準技術の紹介が多くあり、非常に長い時間をかけていたので、 すこし、時間をかけすぎていると思った。 また、講師の方々が多忙ということもあるようで、事前準備が不十分であるという 印象を受けた。